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Gemini
第16章 更に深く
「ん…どうした?」
起きたのはルカだった。寝起きのせいか、少し喉が枯れてる。
「なんでもないっ…」
慌ててタオルで体を隠す。そう言った私の方が喉がガラガラだ。叫びすぎたからかも。
眠たそうに目をこすりながら、上半身を起こしたルカ。
「シャワー?」
「うん…」
なぜかまともにルカの顔を見られない。
「大丈夫?」
「大丈夫」
ふっ…と笑うと、ルカはまた横になった。
なんとかシャワーにたどり着き、熱めのお湯を頭から浴びる。
せっかく家からいつものシャンプーセットを持ってきたのに、と思い出したけどしょうがない。
備え付けのものを使って、昨日のことを思い出させるヌルヌルをすべて洗い流した。
ふぅ…
リセットされて、なんとなく体も軽くなった気がする。
体の水滴を拭きながら、自分が着替えを持たずにシャワー浴びてしまったことを思い出す。しょうがないので、またタオルを巻いて静かにバスルームを出た。
まだふたりとも寝てる。
時計を見ると6時20分になるところだった。
音を立てないように気をつけながらスーツケースの方に近づく。
「…おいで」
眠ってると思っていたのに、声をかけられて心臓が飛び上がった。
ルカがシーツを上げて私を呼んだ。
裸のままの上半身が見えて、ドキドキと心臓が鳴っていた。
「こっち、おいで」
ルカの隣に寝転ぶと、湿ったタオルはベッドの下に捨てられてしまった。
「早起きだな」
ルカの腕の中に収まると、髪や耳たぶに雨のようなキスが降り注いだ。
きれいに洗ったはずのところから、またじゅくんと滲み出た気がした。