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Gemini
第3章 悪戯な笑み
部屋から出ていくルカの背中を見送ったまま動けずにいると、玄関から出ていく音がした。ノアはその間ずっと壁にもたれて目を閉じていた。

「……ノア?」

「大丈夫?カナデ」

「大……わかんない。でも…」

「ぅん?」

「嫌じゃなかったんだ…怖くもなかった」

「でもやっぱり…ルカ止めなきゃね」

「ノアは?ノアはどう思ってるの?」

そっと近づいてきた手に引かれて、私はノアの腕の中に抱き寄せられた。
「…ごめんね、カナデ」

ぎゅっと抱きしめられたかと思うと、すっと体が離れてそのまま振り向きもしないで出ていってしまった。

ルカが出ていった何倍も何十倍も、すごく寂しく感じた。



一人ぼっちになった部屋の中、さっきまでのことが嘘みたい。
ベッドに寝転んで天井を見上げると、嘘じゃなかったことを体が思い出して、全身がウズウズといてもたってもいられなくなる。

二人の舌はどこをどう伝ったっけ…
目を瞑って両手の指先でその跡を辿ってみる。
布があのときの感触を消してしまうような気がして、私は服を全て脱いだ。
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