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Gemini
第18章 3人の時間
遠く離したスマホから和樹が話す声が聞こえるけど、何を言っているかまでは分からない。


「ごめ……今、海で……電波イマイチみたいで…」
和樹の話を遮るみたいになったけど、これ以上はもう無理だ。自分で話してる内容も理解出来てない。

[ そっか…ごめん。…また帰ってから… ]

ノアが舌を動かす度に、ピチュピチュピチュという音が大きく聞こえる。その音と同じリズムで、ソファに乗せた足がプルプルと震えてしまう。

「うん…ごめん、また…」
和樹の返事も待たずに通話を終わりにした。
ルカは私のスマホを受け取るとテーブルの上に置いた。

(変に思ったかな…)
過ぎった思考はすぐに消えていった。
ルカがまたそこにキスをし始めたからだ。


「せっかくキレイに洗ってやったのに、もう溢れさせちゃって」

下半身が溶けてなくなりそうな程、甘く蕩ける快感に溺れそうだった。

「こういうの好き?」

ノアの言う「こういうの」が何を指すのか分からなかったけど…
もう何回も何回もこの部屋に入ってから天国へ行ってるけど…

美しい双子がふたりで私のことを甘いお菓子みたいに食べてくれている時間も、その激しすぎる快感も、嫌いなわけがない。

「…好き………」

呟くように言った後、もう一度ちゃんと口にした。
「大好き……」



結局そのまま、また床とルカを一通り濡らしてから、このガラス張りの部屋を出た。

ほとんど日焼けすることもなく、髪からもシャンプーのいい香りがする私を、ママたちは怪しむことも無かった。


合流して沖縄料理の居酒屋で夕食を済ませてからホテルに戻り、その日はママと一緒の部屋で眠った。

恋の話とか学校の話とか、たくさん聞きたそうだったけど、ほろ酔いのママと疲れてる私はすぐに眠ってしまった。
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