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Gemini
第19章 滲入
ルカがスマホの画面を私に向けて、揃えた指先を助手席の背中に向けた。

「良さそうなところ、あるよ?」
スラスラと、心を通らずに言葉が出ていった。

「ほんとー?送ってー」

ルカはスッとスマホを取ると、グループに送った。

「確かにいいかも。予約しちゃおう」

すぐに電話をかけて7時に予約したのが聞こえてくる。スマホの時計を確認すると5時半を少し過ぎたところだった。
(あと…1時間半か…)


アヌスの中に何度も注入された二人の遺伝子は、私の奥深くまでジワジワと染み入って…私の体を変えてしまったのかもしれない。

(早く…今すぐにでも二人に…)

私の中心は、一日中ずっと疼くように脈打ち続けている。



[どんな感じ?]

目の前にいるルカからメッセージが届いた。
答えようがなくて、ふるふると首を横に振る。

[欲しい?]

ゆっくりと…一度だけ…首を縦に動かした。
恥ずかしくてルカの目をまともに見ることが出来ない。


「なぁ、オレたちはどこで食う?」
ルカがノアに話しかけた。

「一緒のところ来れぱ?」
ママの誘いにのることは出来ない。
「あ…でも…」

「カナデはどうしたい?ホテル?それとも…」
私の言葉を遮るようにして、ノアが聞いてきた。

昨日行ったラブホ…みたいなところで…何も気にしないでたくさん…二人に…

「べっ、別のところがいいなっ…3人…で」

「いいんじゃね?」
「そうだね」

一番敏感なところが、ずっとヒリヒリと痺れているような感覚に酔いそうになる。ママも「そう?まぁ、そうよね」と特に気にせず流した。


時計の進みがやたらと遅く感じる。


予約した時間よりも少し早めにママとつーちゃんをお店付近で降ろした後、ノアはそのまま海の方へと車を走らせた。
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