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Gemini
第20章 海鳴り
「ma chérie…分かる?」
ノアを見ると眉間にシワを寄せたセクシーな表情を浮かべていた。見つめ合う私のほっぺを、黙ったまま親指でなぞって涙を拭ってくれた。
「全部入った」
ズーン…と重たい痛みが居座る。
これをアヌスにするみたいに動かされたら…想像するだけでゾッとする。
でも、ローションもしてないのにヌルヌルで、ペニスの動きが滑らかなのは、紛れもなく私の体内から分泌されてるもののせいなのだと分かっていた。
さっきノアのペニスを濡らしていた唾液とは違う、独特のムッとする匂いが一瞬鼻に届いた。
「ほら…見える?」
ノアは少し体を引いてふたりの繋がりを見せようとした。
腰をノアに持っていかれて、背中の一部だけで車に寄りかかる。ノアの僅かな動きにすら、アザをグッと押されるような鈍い痛みが伴った。
「ナイショだよ……ルカには」
シリアスな光を宿したノアの瞳から目を離さずに、ただ見つめ返す。
「何?あいつの名前にココが反応したの?」
ノアが私の中で、クイクイッと動いた。
「ちがっ…」
「それともこんなとこでこんなことして興奮してるの?」
ううんと首を横にそむけて、否定した。
「まぁ、あっちからは見えてるだろうね…」
ノアの視線の先には確かに車が1台止まっている。
「あ…また、うねった」
(ちがう…)
ノアのペニスが動くせいで私も反応してしまう、ただそれだけなの。