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Gemini
第21章 現実
そのままでキスが再開すると、さっきよりも呼吸が荒くなってしまう。ノアに片手を押さえつけられているだけなのに、痺れるほど興奮していた。

「こういうのが好き?」
ノアの意地悪な笑みが、私の体を更に敏感にさせる。

反対の手も同じように壁に押し付けられ、ノアの顔が近づいてくるのをおとなしく待つ。興奮して息が荒くなっているのを止めることもできないまま、口を開けてその舌を受け入れる準備をしてしまう。

唇だけが触れる距離でノアが止まった。

「こういうのが、好きなの?」

有無を言わさないノアの雰囲気に、私はまるで小さな女の子みたいに為す術もなくただ素直に答えた。

「好き…」

私が答えると、ノアが更に近づいてくれて焦がれていた舌に触れることができた。懸命にその舌を追いかけて、啜って…、ノアは魔法みたいに私をいやらしくさせてしまう。

唇から離れた舌に頬を舐め上げられると、全身に鳥肌が立つほどに快感が走った。
〘手首を掴まれてる〙ただそれだけでも、不思議なほどとろけた。

ベローっと首筋を舐められて、耳に到達したそのままでまた囁かれる。
「これも好き?」

「好き…」
鳥肌まみれですぐにそう答えた。

耳の軟骨の辺りに歯を立てたまま、ノアが囁く。
「これは?」
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