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Gemini
第21章 現実
「好きっ…すき…」

ゾクゾクしすぎて足がもぞもぞと勝手に動いている。

「かわいいカラダ」

耳の軟骨に与えられる微妙な力の強弱にも敏感に反応してしまう。ついに膝から崩れ落ちていく私を、ノアはしっかりと抱きとめてくれた。

「…ごめ……」
私を支えてくれた腕に手を重ねる。

(もう…もっと…)
言葉にできない分、精一杯、意思表示をしたつもりだった。


「ルカ、もう少しで帰ってくると思うけど?」

「えぇっ?」
驚きの中に混じった僅かな不本意に、自分でも気づいていた。

「どうしたい?」

「もう少しって…?」

「さぁ、どうかな」

「少しだけでもいいから」

「少しだけ?ほんとに?」


俯いていた顔をあげてノアを見上げた。じっとその目を見つめて伝えよう、自分のお願いを。
「ううん…」

「…いや…少しじゃ…」
話してる途中で、ガブッと食べられそうなキスをされる。口の深くまでノアの舌が入り込んでくると、腰から下の感覚が無くなった。

唇を離したノアは、一瞬私の部屋のドアを見てから目を伏せた。でもノアが向かった先はリビングだった。



ドスッとソファに座ったノアが私に手を差し伸べる。
「ma chérie、おいで」

私はお姫様抱っこされるような体勢でノアの上に乗った。
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