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第21章 現実

〘当然〙みたいな流れでノアの首に手を回し、またノアの舌に自分の舌を撫でつける。一瞬離れてもまたすぐに重なる唇。
映画で見たような激しいキスだな、なんて自分に酔ってしまう。


「んふっ」
背中にあったノアの手が移動してきて、胸に重なった。ドキドキだけじゃなくてワクワクもしている。


その手でもっと…


その手をもっと…


胸の上に乗せられてるだけのノアの手に自分の手を重ねてみる。
先の部分を弄ったり、大きな手のひらで掴んだりして欲しいのに…

沖縄で胸をギュッと掴まれた感じを思い出す。
（あぁ…あれはルカだったっけ？）

曖昧な記憶と、鮮明に蘇る感覚。

（もうそんなのどっちでもいい…）
手に力を込めてその意志をノアに伝える。

ノアはすぐに察知して、私の胸を私が込めた力以上の強さでグッと掴みながら揉んでくれた。

「んぁんっ」
ノアの口の中に吐き出した高い声は、絡まるふたりの唾液に溶けていく。

少し強いくらいに揉まれるのが気持ちいい。

「これも好き？」
服越しでもノアの指がくい込んでいるのが分かる。

ノアの目から視線を外せないまま、答える。
「好き」

「これは？」
指がそのままの強さで移動して、一瞬先端を掴んでからすぐに離れた。

「はぅんっ…好き」

涙が溜まった目尻に優しく微笑んだノアの唇が触れた。