パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第21章 現実

「気持ちいいっ…っぁあ…」

天国に繋がる糸が見える。
その糸から目を離さないように、手繰り寄せて…

指を動かし続ける恥ずかしさよりも、快感を手に入れたい欲求が上回っていた。

捕まえた糸が太くなって、あの瞬間がもう少しでこの指先に…

ノアがゆっくりとした動きで私を刺激すると、快感へ近づく速度が不規則に加速される。

首にノアの歯が当たった瞬間、一気にその扉が目の前に来て……気づけば、息が止まっていた。

「ぁ……………」

もうちょっと…

このまま……


ピクンと足が動いて、手が止まった。
優しい空気に包まれているような感じ。

「…はぁ……はぁ……はぁ…」
呼吸を思い出す。

知らない間にノアの手も動きを止めていた。

「うまくできたね」

「………」
恥ずかしさが一気に込み上げてくる。

目線をあげると、いつもの我が家のリビングの光景が目に入った。
（なんてことを、してしまったんだろう…）

「俺も気持ちよかったよ」
目の前に晒されたノアの指を濡らしたのは私だ。
顔を背けて目を伏せる。

その目線の先で、ノアはまた私の中に指をおさめようとしてきた。

「待って、まだ…」

一瞬だけ止まったノアは、見せつけるようにゆっくりと、一本だけ立てた中指を私の中に差し込んだ。