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Gemini
第21章 現実
下品な仕草、してはいけないハンドサイン…その象徴的な形の意味を、身をもって知る。
「もっといいことしようか」
「だって…」
「ma chérie、どっちがいい?」
別の入り口を、掠めるような優しさでノックされる。
(〘どっち〙って、そういう意味…)
夢のようだった沖縄の美しい記憶と、今自分の目の前を過ぎていく時間とが艶めかしく結びつく。
旅行に行く前とは比べられないほど、私たちは深く繋がってしまった。人には言えない秘密を抱えて、これから過ごしていくんだと喉元に突きつけられたような気分だった。
とは言え、私は自分で支度を済ませているのだから、間違いなく共犯者。
その証拠に、後ろからゴリゴリとその存在をアピールしているものを布越しに感じて、もうずっとゾクゾクしている。
優しくしてくれるなら…
気持ちよくしてくれるなら…
あの時どんよりとした痛みの奥にあった快感は、どんなものなんだろうと興味があった。
もちろん分かりやすい気持ち良さも捨てがたくて…。
ノアには少し怖さも感じてる。
「私…」
口を開いたのと同じタイミングで、ノアのスマホが鳴った。私で濡れた指のままスマホを取ると、画面を私に見せてくれた。
【Lucas】
「ラカス??」
「ははっ、ルカ、だよ」
(ルカ……帰ってきたんだ…)
少しだけ、残念な気持ちになった。
ほんの少しだけ。
「もっといいことしようか」
「だって…」
「ma chérie、どっちがいい?」
別の入り口を、掠めるような優しさでノックされる。
(〘どっち〙って、そういう意味…)
夢のようだった沖縄の美しい記憶と、今自分の目の前を過ぎていく時間とが艶めかしく結びつく。
旅行に行く前とは比べられないほど、私たちは深く繋がってしまった。人には言えない秘密を抱えて、これから過ごしていくんだと喉元に突きつけられたような気分だった。
とは言え、私は自分で支度を済ませているのだから、間違いなく共犯者。
その証拠に、後ろからゴリゴリとその存在をアピールしているものを布越しに感じて、もうずっとゾクゾクしている。
優しくしてくれるなら…
気持ちよくしてくれるなら…
あの時どんよりとした痛みの奥にあった快感は、どんなものなんだろうと興味があった。
もちろん分かりやすい気持ち良さも捨てがたくて…。
ノアには少し怖さも感じてる。
「私…」
口を開いたのと同じタイミングで、ノアのスマホが鳴った。私で濡れた指のままスマホを取ると、画面を私に見せてくれた。
【Lucas】
「ラカス??」
「ははっ、ルカ、だよ」
(ルカ……帰ってきたんだ…)
少しだけ、残念な気持ちになった。
ほんの少しだけ。