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Gemini
第22章 ハリネズミ
私に触れる手も唇も優しいのに、しつこくからかってくる。


「もぉ!ノアはそんなことなんにも」
そこまで言って気づく。
これは言っちゃダメなやつ。

絶対に怒る…そう思ったのに、ルカは真顔のまま体を起こしてきた。

私を見下ろしながら穏やかな口調で、私の言葉をなぞる。
「…なんにも?」
少し微笑んだようにも見える。

「なん…でもない」

私で濡れた唇を手で拭いながら、じっと目を見つめてくる。

「ま、いいけど」

首筋に顔を埋められると同時に痛みが走る。
「ああっ」

ググッと歯を立てられた。
こんなに強く噛まれたのは初めてかもしれない。

痛いのに、口からは甘えて上ずった声が止まらない。内ももにも力が入ったままで、無意識にルカのことを挟んでいた。

くい込んでいた歯が離れて、やっと呼吸ができるようになった。

「はぁ……はぁ……はぁ…」

「そんなに良かった?」

ルカが舌を伸ばして、私のほっぺを伝った涙を舐めた。
「やらしい体」


意地悪な言い方。
ちゅっちゅっと音を立てて吸いながら、またさっきの首筋に近づいていく。

ジンジンして熱いところにキスが到達した。
「ぁうんっ」


舌先は優しく辿ってるのに、ピリピリと痛んだ。
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