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Gemini
第22章 ハリネズミ
隅の方にあるチクンと痛むやましさと、全身を覆う快感のベール。


昨日のいろいろを思い出しながら余韻に浸っているうちに、少しずつ頭が冷静になってきた。


パンツの中から手を抜いて、その指を見つめた。
双子に言われた訳でもないのに、自分で自分を…

(恥ずかしい…)


その事実を隠そうとするかのように、私は手を洗いに洗面所に向かった。

家のどこを見てもルカとノアとのいけない時間を思い出してしまう。思い出せば出したで、満足したはずの体がふたりを欲するようにジンジンしだす。

ただあの快感を知ってしまっただけで、こんなになるなんて。



自分のはしたない思考回路が漏れ出してしまいそうで、顔を覆った。火照ったように熱くなってるほっぺを、水でパチャパチャと冷やす。

「これからはいつでもできるから、平気だよ」

ノアのその言葉が何度も頭の中で繰り返されて、なかなか火照りは治まらなかった。



「ただいまー」
帰宅したママが洗面所に入ってきた。

手を洗うママに洗面台を譲った。
「起きたばっかり?」

「あ…うん」

「私、ちょっと寝るね」

「朝ごはんは?」

「起きてから食べる、疲れちゃった」

「そっか、うん、お疲れ様」

ママがシャワーを浴びてる間に、ノアとルカとの痕跡が見つかってしまわないように、家中をチェックして回った。
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