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Gemini
第24章 普通じゃない
ルカと距離をとってから、少し経った。
二学期が始まってすぐに中間テストがあって、そのあとすぐに文化祭準備…高校生の日々は忙しい。

ルカの姿を見たいって気持ちは、会ったときの気まずさや、また見たくないものを見てしまったらという怖さにも負けずにずっと胸の中でくすぶっていた。

駅からマンションまでの道、エレベーターホール、コンビニ…どうしても、キョロキョロしてしまう。

その間もノアの家庭教師の時間はあったけど、服を脱いで…なんてことは無くて。そっちはそっちでくすぶってるような、そんな感じだった。



[桃が届いたら半分くらい上にお裾分けヨロシク]

ママからのLINEを何度も読み返してはため息をついていた。

桃農家をやってるママの友達から毎年送られてくる桃は、どこで買った桃よりも美味しくて、必ずルカたちのところにもお裾分けしてる。でも今は行きたくない…。行きたいけど、行きたくない。

玄関に置いてもらったダンボールを開けて、とりあえず袋に詰めてみたものの、そこからの勇気がでない。


ノアに送ったLINEも既読がつかないし、つーちゃんも仕事中だ。合鍵を持って行って、そっと向こうの玄関の中に置いて帰ってくるだけのミッション。

「よしっ!」
自分に気合を入れてズシッと重たい袋を持ち上げ、目的地へと向かった。
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