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Gemini
第24章 普通じゃない
「内緒に…今日のこと全部…」

「うん?」

「ルカに、言わないで…」

あの人に酷いことをされたことも、動物みたいにノアに襲いかかってしまったことも、あとの事を考えずに本能に支配されてしまったことも、誰にも知られたくなかった。特にルカには。

「あぁ、そんなこと?わかったよ」

「あの人のことも…責めたりしないで」

「いや、そこは別でしょ」

「わ、私は…誰にも知られないで」
ふぅぅっと息を吐いて自分を落ち着かせる。

「もうしないなら、それでいい…だから…」
(もっとひどいことをされたりしたら…)

「わかったよ。カナデが…そう言うなら」

「あっ!でも……待って…」
思い出して一気に怖さがぶり返してきて、一気に指先が冷たくなった。

「何?どうしたの?」

「どうしよ……」
ノアが優しく肩に手を回して、抱き寄せてくれる。

「動画か画像……多分動画…撮られて……」

もう既にSNSにアップされてたらどうしよう…どうすれば…

「わかった。待ってて」

目の前でノアがスマホをいじると、2回目くらいで相手がうれしそうな声で出た。

[もしもしぃ?ノアくん?]

「動画、撮った?」

[うん!見せて欲しい?]

「それ、他の誰かに見せたら……殺すよ?」

[え…あ、うん、分かっ、分かってる]

「まさかもう」

[してない!見せてないからっ!]

「また連絡する」

[あのねっ、ノアく]
まだ喋ってるのに、ノアはブツッと切ってしまった。
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