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Gemini
第24章 普通じゃない
「この様子だとおそらく大丈夫だと思う。元々それが目的で撮ったわけじゃない気がするし、安心して。俺の言うこときく子だから」

「うん……ありがと」

はぁ…と大きく息をついた。
ノアの感じから7割くらいは安心。

「今日はたまちゃんは?」

「夕方…少ししたら帰ってくる、多分」

「大丈夫そう?」

私はうんと頷いた。


私の顔を優しく撫でて、自然と上を向かせると、ノアの唇が私の唇に触れた。
一瞬離れて、もう一度。また、触れるだけのキス。

「いつでも連絡して」
私を心配してくれてるのを感じる、穏やかな表情だ。
いつも薄い壁一枚分くらい向こうにいて本心が分かりづらいノアに、少しだけ近づけたような…そんな気がしていた。

「ありがと、ノア」



それなのに…
唇が触れるだけのキスじゃおさまらなくて、ノアの唇に自分の唇を重ねた。そして、その整った唇を舌先で舐め、誘う。ノアの舌が出てきてくれるまで待ち構える。クニュリと私の中に入ってきた舌先を追いかけて、そのザラつきを擦り付けあった。

ノアのどこかに触れてしまうと、私のスイッチはすぐにオンになる。腰に置いていた手を前にまわそうとすると、優しくノアの手が重なった。

「部屋まで送るよ」
すごく優しく紳士的に、拒否されたのだと察した。

「大丈夫、ひとりで。バイバイ」
「なにか…あったら、連絡してね」
「ありがと」

私はなんてことない顔をして自分の家に帰った。
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