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Gemini
第25章 バースデー
定期テストが終わったと思ったら、すぐに学力テスト…。
早く大人になって試験地獄から抜け出したいね、なんて話をしながら凛と別れて、地元の駅に着いた午後。
高等部に上がってから、常に時間に追われてるような、焦りがすぐ隣にいるような気がする。プライベートもバタバタしてるせいで、心が落ち着く暇がない…。
久しぶりにいつものファストフードで教科書を開いてみたものの、文字を見てるだけで頭には全然入ってこなかった。
「あれ?かなちゃん?」
声をかけてきたユウキさんは、同じ年くらいの男の人と一緒だった。
「こんにちはー」
ユウキさんと雰囲気が似てるその人は、優しそうな笑顔を私に向けた。
「あ、こんにちは」
「勉強中?」
ユウキさんが私のテーブルをのぞき込んだ。
「はい…もうすぐテストで。でも全然ダメ」
「ダメなの?」
ユウキさんのお友達が微笑むと、それを見ながらユウキさんも微笑んだ。
「なんだかまた雰囲気変わった?」
「そうなの?」
「えぇ?そうかな?うーん…」
確かに、最後に会った時からまた一歩、いやもっといっぱい色々進んでしまっている。
「その後は幸せ?楽しんでる?」
「まぁ…うん…そう…ですかね?」
「高校生?」
「はい」
「一番楽しい時期だね」
「真っ只中にいると分かんないけどね」
少し離れたところに座った二人は、なんだか阿吽の呼吸でやりとりしていた。
早く大人になって試験地獄から抜け出したいね、なんて話をしながら凛と別れて、地元の駅に着いた午後。
高等部に上がってから、常に時間に追われてるような、焦りがすぐ隣にいるような気がする。プライベートもバタバタしてるせいで、心が落ち着く暇がない…。
久しぶりにいつものファストフードで教科書を開いてみたものの、文字を見てるだけで頭には全然入ってこなかった。
「あれ?かなちゃん?」
声をかけてきたユウキさんは、同じ年くらいの男の人と一緒だった。
「こんにちはー」
ユウキさんと雰囲気が似てるその人は、優しそうな笑顔を私に向けた。
「あ、こんにちは」
「勉強中?」
ユウキさんが私のテーブルをのぞき込んだ。
「はい…もうすぐテストで。でも全然ダメ」
「ダメなの?」
ユウキさんのお友達が微笑むと、それを見ながらユウキさんも微笑んだ。
「なんだかまた雰囲気変わった?」
「そうなの?」
「えぇ?そうかな?うーん…」
確かに、最後に会った時からまた一歩、いやもっといっぱい色々進んでしまっている。
「その後は幸せ?楽しんでる?」
「まぁ…うん…そう…ですかね?」
「高校生?」
「はい」
「一番楽しい時期だね」
「真っ只中にいると分かんないけどね」
少し離れたところに座った二人は、なんだか阿吽の呼吸でやりとりしていた。