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Gemini
第25章 バースデー
お友達の方が下に買いに行ってる間に、ユウキさんがまた近づいてきた。

「どう?あの人、かっこいいでしょ?」

「あ、うん。ほんと、ふたりとも絵になる感じ」

「それは言い過ぎ。僕のね、パートナー」

「パートナー??」

「そう」

「えっ?でも結婚…って」

「そっちはね、この間やーっと、終わったんだ」
大人の話すぎて、一瞬理解が追いつかない。

ってことは、ユウキさんって…聞き返そうとしたときに、そのパートナーが戻ってきた。

仲良さげに話してる二人を見つめてしまう。
パートナー…仕事じゃないよね、彼氏…?それって?
学校にもそういうのが好きな子はいるから、私にも分かる。

「ユウキさん、幸せ?」
私の方を向いたときに、聞いてみた。

「ああ。すごくね。」

「そっか」

「かなちゃんもそうだといいな」

「いろいろあるけど大丈夫。また今度話聞いてください。一番、全部話してるのユウキさんだから」

「そうなの?…そうか。うん、また今度ね」

結局なんにも進んでなかった勉強道具をしまって、私は楽しそうなお兄さんふたりと別れた。

(幸せか…)

いろんな形があるんだと見せつけられた気がした。それがどんな形だったとしても。

そして、無性にルカに会いたくなった。問い詰めるとか、怒るとか、そういうことじゃなくて。遠い昔の思い出みたいになってしまった、あの優しいキスが恋しくて堪らなかった。
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