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Gemini
第25章 バースデー

誕生日の当日

家からはルカと出かけて、レストランでノアと合流するとママから言われていた。待ちきれずに始めてしまったお出かけの準備は、もうとっくに全部終わっている。


[11時に迎えに行く]


昨日の夜遅くに送られていたルカからのメッセージを、朝から何度も見ては息を吐く。スマホの隅にある数字はまだ9:46。いつもより進みが遅い気がしている。

「はぁ……」

何をしても手につかないのに、手持ち無沙汰でついウロウロしてしまう。


ノアは何も言わなかったけど、チクチクしてきてるところは自分で剃った。期待してると知られることよりも、少しずつ生えてきてる状態を見られることの方が恥ずかしいような気がしていたから。

ルカのメッセージ画面と鏡と目を行き来させながらリップを塗り直してると、新しいメッセージが届いた。

[まだ準備中?]

送った瞬間に既読になったこと、ルカにどう思われちゃうんだろう…必死でなにか言い訳を考える。

(ちょうど今、出る時間の確認…違う。壁紙変え…)

[いつでも出れるから、準備終わったら言って]

(あぁっ、また既読が…)

「えっ?」

(どうしよう…いつでもって、今でも?)

心臓がドッドッドッと大きく鳴りだした。
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