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Gemini
第25章 バースデー
[準備できたよ]
あとは送信ボタンを押すだけで、ルカが私を迎えに来てくれる。

(あー、でもどんな顔してればいいんだろう)
意識しすぎて、どうしても不自然な自分になってしまいそうだ。

「今日はありがとう…?」
想像のルカに向けて言葉にしてみた。ほっぺたに力が入って笑顔まで緊張してるのが自覚できる。
ガチガチのほっぺを両手で挟んでムニムニとほぐす。
「はぁ……も…どうしよ…」

その時、インターフォンが鳴った。

リビングに行ってモニターを見てみると、ルカだった。
心の準備も整わないままに、ドアを開けに行く。


「なんだよ、もう出れんじゃん」
優しい笑顔のルカに頭をポンポンと撫でられた。

「Joyeux anniversaire」
差し出されたのは、水色でまとめられたミニブーケだった。

「かわいい!」
受け取った私の手を掴んで、ドアの外に引き出した。おでこに触れた唇はほっぺたに移動して、唇に重なった。

「おめでと」
一瞬で離れた唇を追いかけるように見上げると、まるでノアみたいな笑顔で微笑んでいた。

「わぁっ!」
ランドセルを背負った近所の男の子が、抱き合ってる私たちを見てびっくりして立ち止まっていた。

「あっ!ごめんね、どうぞどうぞ」
ルカを家の中に入れて、通れるように道を開けた。
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