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Gemini
第7章 痕跡
(あぁ…もうすぐいけないところに…)
緊張と期待でドキドキしていたのに、ノアの指は反対の足の膝に飛んでしまった。

ノアの瞳がルカみたいに意地悪く光ったかと思うと、キスが再開した。私は目を閉じてノアの指を感じる。

「それから?どうしたの?」
唇に触れたままノアが質問を続ける。
答えられずに唇をきゅっと閉じると、ノアの舌は強引に割り入ってきた。

「カナデ…答えて」
すぐに離れた唇がそう言うと、優しく私の前髪をかきあげておでこにキスをした。

「キス…した…」

「どこに?」
微笑んでるノアの指は、足の付け根のギリギリのところを行ったり来たりしている。

「……」
「言ってよ」
「…言えない…」

「言えないところにキスされたの?」
こんなときに首を傾げながら、そんな綺麗な顔でじっと見つめてくるなんて…反則だ。私は頷くかわりに目線を落としてから、ゆっくりとノアの目に戻した。

「それから?」
ノアは体を起こしながらまだ質問をしてくる。
(それから……あぁ…部屋に行ったんだ…)

ノアはルカとは反対に、唇から順に下がりながらキスをしていく。
(ノアまでそこを…?)

ジンジンしたままの胸の先に、今度は舌を押しつけた。まるで硬さを確かめてるみたいだ。
胸の谷間をキスで埋めて、まっすぐ下におりていく。

(どうしよう…どうしよう…)
ノアの両手がサワサワと太ももを撫でて、足を開かせてしまう。私はどんな顔をしていたらいいのか分からず、両手で顔を隠した。


「どんなキスだった?」
息かかる距離にノアの顔がある。

顔を隠したまま首を振る。恥ずかしすぎてつい「イヤ」と口にしてしまいそうになるのを、唇を噛んで抑えた。

ルカはよくてノアはダメと受け取られてしまうのは嫌だった。それに、止めて欲しい訳じゃなかった。
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