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アンケートから生まれた Love story
第6章 結婚の条件
『条件については分かった』
すっかり雨雲の消えた空に、茜色の夕焼けが広がる。
デニムのポケットからスマホを取り出した。
『とにかく逃げた男が先だな。
さっき言った情報関連、全部送って』
『は、はい…』
『あんた土日休みだよな? 一旦調べたら進捗を…』
『あの、タカくん…!』
座ったまま向かい合う俺の言葉を遮って
彼女は手に持ったバッグをギュッと握りしめた。
『本当に……いいの?
私、あなたに御礼できることと言ったら、その……』
『………』
『も、もちろん全ての人に満足してもらえるなんて思ってない。
タカくんみたいな超イケメンの人に、私なんか身の程知らずって分かってる』
……右半分の頬に、夕陽が反射しているだけではなく
顔全体を真っ赤に染めた彼女が、目を瞑って耐えている。
今、静かに湧き上がるこの感情と
衝動的にしたキスが、自分の気持ちの上で成り立つ行動だったのであれば
……俺は、この人に心をとらわれたってことなのか……?