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第6章 結婚の条件

「……なに黙ってるんだよ」


これだけのページを使っての回想シーンだったけど
一言も話さない俺に、蓮さんがガンつけてくる。

……瀬名さんみたいだ。
いや、この人をキレさせたらきっと比較にならない程恐ろしい。

だけど


「言えません」
「……タカ、お前…！」
「違います、未遂です」
「未遂！？ なんだそれ、ちゃんと言えよ！」


いい大人が中学生みてぇな会話。
テーブルを越えてきそうだから、先手を打って立ち上がる。


「だから冒頭で聞いたんですよ。
元蓮さんの女だったとかやめてくださいって」

「いや待て、本当にお前どこまで…」

「大丈夫です。流石に先輩と兄弟にはなれません」

「だから違うって言ってんだろ！
だいたいお前の仕事量をセーブしたのはシェリーの為じゃねぇからな！」

「もちろん公私混同せずしっかりやりますって。
ただ色々想定外の感情が……あ、瀬名さん！」