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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
── あらゆる想定をしていた、と彼は言った。
「話合いが長引いて、帰れなくなった時の為。
詐欺師を逃がさないように、隔離する為」
大きなヨットの帆をイメージされて造られた外観。
この地のランドマークとなる、上質なホテル。
乗ったエレベーターからも、パノラミックな夜景が広がっていて
「好きに使っていいから」
部屋の前まで来てくれたタカくんが
カードキーと一緒に、持ってくれていた私のバッグを差し出した。
1人で気兼ねなく、と私を気遣ってくれている。
分かってる。
だけど……
「ルームサービス頼むでも、速攻休むでも
……!」
受け取らずに、腕のシャツを掴んだ。
……顔を埋めて、この表情を見られないように。
「……しえりさ…」
「お願い、行かないで」
「……!」
「傍にいて」