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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
「……ねぇ、しえりさん」
頭がくらくらしてきた私に、タカくんが話しかけた。
「さっきの男も同僚ってことだよな」
「……実は、私の大学時代の後輩なの。
同じ会社で同じビルの中に居ることを知ったのは、つい最近で…」
「どこ大学出身?」
「○○大です」
私のNEWステージには、色んな罠が散りばめられているみたいだ。
頭を抱えながらタカくんの問いに答えていったけど
「歳は?」
「私の2つ下よ」
「もう一度、名前教えて」
「え? あ、彼は……姫宮蓮」
「……ふーん」
最後の質問が決め手になったとでもいうように
タカくんは思い出すようにしてから、小さく何度も頷いた。
「 ‟ 若気の至り ”
‟ 本当は直接なんとかしたい俺達の借り ” 」
「……えっ?」
「 ‟ ヒメ ” 」
彼が最後に呟いたのは
学生時代、周りの誰もがそう呼んでいた姫宮くんの愛称だ。