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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
「……準備って、また教祖系じゃねぇだろうな」
本人がまだ隣りにいる段階で、スマホでアプリを起動した私に
疑いの目をしたタカくんが肩を押してきた。
「やめろよ、変なこと吹き込むの」
「ち、違うわ。
ここはメディア&ソリューション事業が日本一のグループ企業が展開する美容サイトで、都内に勤める大半の女性が利用しているであろう公式アプリの…」
「………」
「とにかく行くと決まったからには
心と体の用意が必要不可欠なので、どうかご理解を……」
ベラベラ喋る私だけど
タカくんはもう慣れたとでもいうように、立ち上がった。
「別になにもしなくていいのに。 そのままで」
「……男の人が言うそのままっていうのが、そもそもそのままじゃないの」
「何に金使うのも自由だし、余計なお世話だけど
返ってきた金は大事にしなね」
それは御尤もです、と深く頷くと
正面に立ったタカくんが私に手を差し出した。
「じゃあ、近場で1杯だけ付き合ってよ。
そのあとすぐに帰すから」
「………!」
「大丈夫。 ‟ 今日は ” ちゃんと理性ある」
そう言って笑ったタカくんの手に、手を重ねて
私の心はもうキラキラときらめいて、全身に嬉しさが溢れていた。