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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
* * *
─── そして当日
想像を遥かに超えた、素敵な空間に息が止まる。
「……タカくん、ここ1泊100万じゃない?」
「んなわけねぇだろ」
「凄い……素敵」
私の陳腐な語彙力では、凄い・素敵を繰り返すしか出来ないけど
主要の駅からは車で行くしかない、離れた場所でも
海に面した絶好の立地で、相○湾を一望できるまさに隠れ家だ。
わざと錆びを入れた、無機質な建物。
エッジの効いたモダンな空間は、天井が高くて開放感に溢れていて
「わ……気持ちいい…」
部屋からフラットに続く、ダークブラウンのウッドデッキを裸足のまま歩いていく。
バルコニーテラスからはオーシャンパノラマビューが広がって
遮るものは何もない。
風に揺らめく木々の葉音が、心地よくて
夕陽も沈みつつある、だんだん暗くなってくる空が
もうすぐ迫る花火の時間を告げていて……
今日はもう、ワクワクすることしか起きていない。