この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ
「お帰りなさい、高野(たかの)くん。
久々の本社出勤だね」
約3ヶ月ぶりの出社にも拘らず
埃を被ることなく、俺のデスクは綺麗に整頓されていた。
出張の間ずっと、同期のアシスタントが広々自由に使っていたらしい。
「日本に戻ったのは昨日?」
「今朝。空港から始発でそのまま来た」
「え、自宅に帰らなかったってこと?」
そう、帰らなかった。
時差呆けを早々に解消したかったし
月初めの定例会議に、捻じ込ませておきたい取引報告があった。
だからこうして出社する前に、報告書をまとめてきたわけだけど
「もー、休まないと体に毒だよ。
皆が皆、 ‟ スーパーS’s ” では無いんだからね」
「なにそのネーミング……ダサ」
「だって頭文字が同じだから。
‟ あの2人 ” と同じ働き方してたら死んじゃうって」
死ぬかどうかは別として、アシスタントの言う通り
俺は今日、帰らず直行するという選択をすべきではなかった。
というより
……あのカフェにさえ、行かなければ良かったんだ。