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アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ
始業の30分前には余裕で出社できるはずだったのに
朝のカフェの珍事によって、若干遅刻。
自分のデスクに荷物を放り投げて、タブレット端末だけ持って奥へと進む。
千人以上いるワンフロア。
多くの会話が飛び交う中でも、その姿はすぐ視界に入った。
「おはようございます」
窓際のテーブルでミーティング中のチームに、遠慮なく声を掛ける。
中央に居る、変わらない黒の艶髪。
後ろ姿でも圧倒的な存在感は健在だ。
「蓮さん、戻りました」
鈴木という名字が何人もいて、同じグループ内の仲間だから名前で呼べる。
そうでなければ
今となっては気安く声を掛けたり出来ねぇ、そんなレベル。
「タカ、お帰り」
2つ歳上の31歳。
男の俺でも惚れる爽やかな笑顔。
史上最年少記録を塗り替えた、本部の全営業グループ成績No.1が
俺の姿を見つけると、白い歯を見せて笑った。