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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
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─── 図書室で読んだ絵本や、国語の教科書に載っている家族像
実際に遊びに行った家で見る、友達の両親とも
どうしてこんなにも、うちは違うんだろう
愛する人だから結婚したのに
自分の家族になってくれたのに
キッチンの隅に震えて蹲る母
小さくなったその体に、覆いかぶさる俺の背中を
何度も踏みつけてくる父に対して、疑問は膨れ上がるばかりだった
大暴れする昨夜が嘘かのように
朝になると何事もなく振る舞い、出勤していく姿にも吐き気がするし
重い責任のある仕事だかなんだか知らねぇけど
ストレスの捌け口を家族に向けるくらいなら、無職の方がよっぽどマシだと思った
『秋も父さんの立場になれば分かる。
お前は俺の子供で、俺の血を引いているんだからな』
俺は違うと証明したくて
見返してやりたくて
多忙で高給の象徴である大企業を選んだけど
暴力的な一面なんて皆無どころか
母と同じ、恐れる側となる障害を抱えるハメになった
……それでも
呪いの言葉は
大人になった今も、脳裏にこびりついて消えない
‟ お前は俺の子供 ”
‟ お前は俺の血を引いている ”
─── 俺には、父親の血が流れている