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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
……肩にかけたハンドバッグを握る自分の手が、小刻みに震える。
‟ あなたを大切にしたかった ”
秋に逢えた嬉しさが先に込み上げてきてしまったけど
あのメッセージは、 ‟ もう会わない ” という意思表示なのに。
「鈴木くんに無理言って頼んで、会えるようにしてもらったの」
「……!」
「自分で直接連絡するべきだけど……怖く、て…」
声まで擦れてしまって、パッと顔を伏せた。
秋からメールの返信が来なかったら
電話して直接断られたら
その確率の方が高いのに
実際に起きる場面を想像したら、勇気が出なかった。
……本当に情けないけど
自分が傷付きたくなかったんだ。
「花火から帰ってきた日の夜、貰ったメールも
秋が彼らに託したと思う伝言も……ちゃんと分かってるの」
「……」
「ごめんね、会社で待ち伏せするなんて迷惑極まりない…
……!」
そこまで話したところで、止まったのは
私の右頬に、秋の指先が触れたから。