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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
* * *
── 1DKの秋の部屋は
深い蒼と灰色のインテリアで統一されている。
先にシャワーを浴びた私は
ローベッドを背中にして床に座り、天井まで続く本棚をぼんやりと眺めていた。
「……ソファあるのに」
暫くして、ミネラルウォーターを持った秋が
そう言って私の隣りに並んで腰を下ろした。
「秋、私ね」
体を包ませたブランケットを手繰り寄せて
前を向いたまま口を開く。
「大学時代、 ‟ マドンナ ” って呼ばれてたんだって。
姫宮くんが教えてくれたの」
「……!」
「まだ結婚とか子供とか……将来のことは漠然としてた時で。
初恋の人と一緒に居られるだけで、楽しかった日々だった」
美容院に行って髪を艶めかせて
メイクを勉強して
カフェに行って、買い物して
友達はそんなに多くなかったけど、逆に1人は苦ではなかったし
自分の足で自由を謳歌していた。
人並みに、楽しいキャンパスライフを過ごせていたと思う。