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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
古民家と、大きなお庭が多い住宅街。
海まで続く道を、秋と2人で歩いていく。
私と肩を並べる彼は、歩幅を合わせてくれて
会話はほぼせずにゆっくりと進んで
……暫くすると
見上げる程大きなクスノキが、数メートル先の垣根の間に見えてきた。
「わぁ……」
秋から手を離して、思わず速足になった。
道がだんだんと砂利道に変わった、その先に
穏やかな浜辺と壮大な海が現れたからだ。
「凄いね、こんなにすぐ近くだったんだ…
……!」
振り返ると、後ろで秋も足を止めて
すぐ隣りの敷地に視線を向けている。
「……秋……」
数歩戻って、秋の隣りに立つと
垣根の真ん中に閉じられた扉があった。
クスノキの下に、赤い屋根の建物。
遊具や花壇、小さな砂浜
緑いっぱいの園庭が広がっている。
……ここが、幼稚園……
「……普段は、此処で
みんな元気いっぱい遊んでいるのね、きっと」
この場所にくる道の途中も、数人しかすれ違わなかった。
……風と、波。
自然の音だけで、他には何も聞こえてこない……
……と、その時だった。