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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
そうだよ、と秋が答えたと同時に
彼女の目から大粒の涙が溢れた。
……肩が小刻みに震えて、立ち尽くしている。
涙が溢れるお母さんの前で……秋も切ない表情になったけど
それでも微笑んで見つめている。
「誰?って言われると思ってた」
「……!」
「……気付いてくれたんだ」
秋の声は擦れていて、でもちゃんと言葉にして伝えていて
だけど彼女は頷くことすら出来ずにいる。
「……突然、勝手に来てごめん。
居ないと思ってたから」
「……っ」
「休園日なのに仕事して、園長って大変なんだな」
優しく話し掛ける秋は
とても20年振りに再会したとは思えない程、穏やかで。
ここに来るまでの不安そうだった表情も、消えていて
動けないお母さんに、また一歩近付いた。
「このテラスって土足でも平気?」
窓を隔てて向かい合う2人の距離は、たったの2メートル。
ウッドデッキは僅かな段差で、腕を伸ばせばすぐに触れられる位置だ。
「そっちに行っても…」
「秋……」
「……!」
「……どう、して……?」