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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
「……!」
テラスの手前に敷き詰められた、白い砂利。
足音に気付いて……ふと、ピアノの音色が止まった。
私の手から離れて、秋がさらに一歩近付いていく。
「……っ」
壁際に積み重ねられた、園児用の小さな椅子。
白い壁に貼られた、たくさんの絵。
天井から下げられた色とりどりの輪飾り。
温かさが溢れる保育室に、その人は溶け込んでいて
……振り向かれた、彼女の顔を見た瞬間に
熱い何かが胸を貫いた。
「……っ」
細くて華奢な体。
小さくて綺麗な顔立ち。
落ち着いた艶のある髪を、うしろにひとつにまとめている。
口元を両手で押さえて、大きく見開かれた目が……
……秋にそっくりだ……
「……あ、き……?」
椅子から立ち上がって、開かれた窓に近付いてきた彼女が
小さく声を出した。
「秋なの……?」
「……っ」
── 秋
今、聞こえたよね?
覚えてないって躊躇していたけど
一目であなたのことを……
「……!」
私よりも1歩前に立つ秋に、祈るような気持ちで視線を向けると
彼女を真っ直ぐを見つめていた秋が
ふっと優しい笑みを浮かべた。
「……そうだよ、母さん」
「……っ」
「久しぶり」