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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
目を開けた秋の前で
「……!」
真っ赤な目に、涙をいっぱい貯めているけど
……初めて、彼女が小さく微笑んだ。
「……ごめん。
こんな過去の話したって、なんの意味もないよな…」
「そんなことないわ。とても嬉しい」
「……!」
「職員さんを通してしか、知ることができなかったから。
……直接秋の口から聞けて嬉しいわ」
ようやくポケットからハンカチを取り出して
目元を押さえてから、彼女は深呼吸をして
……その姿を、秋は間近で見つめている。
「……秋、体は大丈夫?
背中の治療は……続けていたのよね?」
胸の前でハンカチを握りしめて、お母さんは秋を心配そうに見つめ返した。
「今、病気とか怪我とかしていない?」
「……あぁ、大丈夫」
「本当に?」
「うん」
秋は静かに頷く。
「その……お友達とか、は?」
「普通にいるよ」
「そう、良かった……
あの、……お仕事は忙しいの? 大変じゃない?」