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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
「……母さん」
視線を落としたまま、秋が小さく口を開いた。
「知ってると思うけど
母さんが家を出ていってから、あいつは俺に手を出さなくなった」
「……!」
「……あの日以来、一度も殴られていない」
その低い声に、心臓がドキッと鳴って
……お母さんの表情もまた元に戻る。
「第一線からは退いたけど、国と人の為になる仕事をそのまま続けて
……俺の治療費や学費も、全部あいつの金だ」
「……」
「左目の視力は戻らなかったけど
今はもう、外傷の痛みは何も残ってない」
……自分の両手をぎゅっと握って、拳を作って
言葉を選ぶように、ゆっくりと話す秋。
私はただ2人を見守ることしかできなくて
暫しの沈黙が流れたけど……
「……あの人は、本当は優しい人よ」