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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
その声で顔を上げる秋。
……お母さんは少しだけ口角を上げて、穏やかな表情で秋を見つめる。
‟ 本当は優しい人 ”
「……あれだけ酷い目にあっただろ…」
「そうね。
秋に傷を負わせたことは一生許せない」
「……!」
「……守れずに、逃げてしまった私自身も」
再び、か細い声が震えてきて
今度は彼女が秋から視線を逸らして
……その瞳から、一筋の雫が落ちた。
「だけど……良い思い出が残っているのは確かで
……なにより、も……秋、あなたが」
「……っ」
「あなたが生まれてきてくれたから……」
涙が止まらなくなった彼女の姿が、滲んでいく。
「想うことすら許されない気がして、言えなかったけど
秋、1日だってあなたを想わない日は無かったわ」
「……!」
「暑い日は体調を崩していないかしら、寒い日は風を引いてないかしら……
……楽しいこと、嬉しいことがたくさん秋に降り注ぎますようにって
いつも祈る様に秋の幸せを願ってた」
「……っ」
「あなたは人一倍優しくて、痛みや苦しみを我慢してしまうから
……心から笑える時がきますようにって、ずっと……」