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アンケートから生まれた Love story
第15章 アンケートから生まれた Love story
* * *
─── 前ページの感動ポエムが
このページへ読み進めた途端に崩壊するとは、誰も思わないだろう。
俺が1番衝撃を受けている。
「……なんですかこの書類の山」
フロアに入った瞬間に、実はもう目に入っていたけど
自分のデスクに、ギャグかっつー程に積みあがった書類と
端から端まで並んだ案件ファイルを見下ろして、俺は立ったまま呟いた。
氷の視線を送ったその先で、ダークブラウンの髪が動く。
「傑作だろ、そのタワー。
俺が昨夜せっせと作ってやったんだ」
「……」
「五重塔のつもりが絶妙なピサの斜塔に…」
「瀬名さん。話が違います」
1ヶ月半前の退院日
また自分が担当したいから、戻してほしいと確かに言ったけど
どう見たってこの量……ざっと計算しても営業5人分はある。
「俺はあなたから、3倍と聞いた記憶がありますが」
「まだあるぜ。佐伯が持ってる」
ドヤ顔の瀬名さんが指差した隣りで
ビクビクとうろたえるアシスタントが、両手いっぱいにファイルを抱えていた。
「……た、高野さん。
これ、今月中に承認が必要なものでして……」
「……」
「私に手伝えることがあればと思ったのですが
め、目が回る程高難度過ぎて、到底無理かと……」