この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第16章 伏線回収.。.:*☽
「11年経った今、お前たちがこうして酒を飲んでるってことは
死なずに済んだんだな」
笑い終えた瀬名がそう言うと、うんざりした様子で蓮が息を吐く。
「滑って頭部強打か、車に牽かれて即死か、埋もれて凍死か。
……いずれも最悪な人生の最後となりえた俺達を救ったのが、シェリーだ」
「……!」
「……泥酔でぶっ倒れてた、まだ真っ暗闇の歩道。
そのすぐ目の前のアパートの2階に、彼女が住んでいた」
そこまで話した蓮が、両手で顔を覆って
俺から外した足を抱えて、ヒメが小さく縮こまった。
・・・うん、まぁそうなるわな。
「土曜の朝でも早起きだったシェリーが、窓の外を見て
偶然俺達を見つけて、家に入れてくれたんだ」
「「「………」」」
「シャワーと、着替えと、ホットドリンクを用意してくれて。
誰にも言わないから大丈夫、と笑ってくれた。
……マドンナどころか、女神に見えた」
手を外した蓮が、チラッと横目に視線を送ると
バツの悪そうな顔でヒメが小さく頷いた。
・・・なんか
こいつらもちゃんと同じ人間だったのな。
俺含めて、もう誰も何も言えなくなっちまったじゃねぇか。