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第16章 伏線回収.｡.:*☽

「……蘭さん」


……えっ？


「すみません、俺あなたの名前を知っています」
「……！！」
「蘭さんですよね」


そ、そ、そうです……！
ってゆーか聞きましたか今の！

蘭、さん。
蘭、‟ さん ” ！！

早坂さんでも、蘭でも、蘭ちゃんでもないサン呼び！

わーーなんかちょっと嬉しい。
私の周りにいる男達は大抵呼び捨てだから、新鮮！


「初めまして、早坂蘭です。
葵がいつもお世話になってます」


瀬名蘭です。
主人がいつもお世話になってますってのは、とりあえず心の声に留めた。


だけどなんだろう。
佐伯譲と銀座店で鉢合わせした時の気持ちと、全然違うこの高揚感。

葵という絶対的な存在がありながらも、私ってほんと単純なオンナなんだなぁ。