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第16章 伏線回収.｡.:*☽

─── きゅん、とか

ドキュンとかバキュンとか
もうどんな効果音にも例えられない衝撃が、心臓ど真ん中を貫いた。


瑠璃さんと同じく胸を押さえたのはパフォーマンスじゃない。

ストレートの剛速球によって、本気で爆破された気がしたからだ。


未だかつてanrryには存在しなかった
至上最強のレアキャラが満を持して登場したのでは……！！


「……！」


頭の中にRPGのテーマ曲が流れ始めて、何も言えない私。

気付いたらなぜか彼の表情が、不自然に歪んでいて…

・・・ってあれ？
首元に、なぜが別のグレイ色のシャツの袖が……




「動くな」



突然

恐ろしい程の低い声と同時に
固まった彼の背後に、ダークな鬼火が灯り始めた。



「それ以上一言も喋るな」

「……！」

「つーか息するな」

「……！！」

「てゆーか見るな。目を閉じろ」

「……！？」




─── 狼（wolf）


古来より、欧州や歴史ある神話において
死や恐怖の対象・邪悪な存在として描写されている。

真っ黒な影のシルエットに、鋭い眼光だけ銀色に輝くその物体は……


～～いや物体って！
この人ウルフじゃなくて人間だし！



……あ、葵……！？