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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
なぜスタッカート調に呟いたのか、自分が意味不明で笑った私。
目の前を通り過ぎる男性に、冷たい目でチラ見された。
……哀れみの視線。
そうよね。
ここは大都会東京の中央に相当するターミナル。
街路樹が続く並木道、カフェのオープンテラスで
通帳を持って独り言と独り笑いをする女。
大企業の立派なオフィスビルが連なる区域
エリート軍団が行き交うこの場所では
客観的に見ても私は ‟ 危なくてイタイ女 ” だ。
「結婚詐欺って、こと?」
自ら口に出すと更なるリアル感がじわじわと広がる。
『そんなの詐欺に決まってるじゃない』って
ドキュメンタリー番組を見ながら誰しもが思うのに
こうも簡単に自分が陥るとは夢にも思わなかった。