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アンケートから生まれた Love story
第4章 マドンナ
「私は元気だから大丈夫だよ」
体を捩って、振り返った美和。
両手を背中に回すと、美和も俺に寄りかかってきた。
「最近になって急に暑くなったから、バテただけかも」
「本来お前は夏に風邪ひかねぇもんな」
「ちょっとどういう意味!?」
すぐに顔を上げて、睨みつけてくる。
こーやってすぐ反応してくる性格は変わんねーな。
「そーやって口悪いの、ほんっと昔から変わらないよね!」
「そのセリフそっくりそのまま返…」
「あのね、私が元気なのはヒメがいるからでしょ!」
ぎゅうっとTシャツを掴まれて、引っ張られた。
「帰ってきてくる日だったから、元気になったんだよ」
「……!」
「楽しみにしてたから」
「………」
・・・グサッって感じ。
心臓ド真ん中、直撃。
何度も射抜かれたくせに、どうしたってこうも俺は次々と撃たれるわけ?
呆れる程の長い、一方通行の恋から卒業して
手に入れてからも、結局片想いを続けている感覚だった。
だけど
左の薬指に、同じリングを付けた今は違う。
そう思えることさえも、俺には奇跡だと感じる。