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アンケートから生まれた Love story
第4章 マドンナ
「……!」
美和が少し背伸びするくらい、抱きしめる。
「……ヒメ…」
「ただいま」
「……!」
「言ってなかった」
今更ながら耳元で言うと
美和もさらに強く俺に身を寄せた。
「お帰りなさい」
「うん」
「お仕事お疲れ様でした」
誰もが当たり前に常用する、何気ない挨拶の言葉は
俺が口にすると、かけがえのない輝きに変化する。
‟ おかえりなさい ”
迎えられる、言葉と笑顔。
こんな未来があるなんて
制服を着た14年前のチャラけた俺は、想像すらできなかった。
色んな奴らと関わってきたせいで、当初より確実にキャラ変してる気もするし。
「31歳まで書かれるとは思わなかったしな」
「え? なに?」
「いや、俺マジで頑張ったなって」
「? なんの話?」
「こっちの話」