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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
進むべき道が分かっていると同時に
年齢的にも、時間が無いことは百も承知している。
そして何よりも
自ら課せた ‟ 結婚する為の条件 ” が
最大の難関であり厄介であり、婚活が成功しない原因だってことも分かっている。
分かってる。
だからこそ早く
「……とにかく
早く、 ‟ 普通 ” になりたい」
朝の8時になって、出勤する人の波が増えてきた。
私もいつもなら、この時間にはもう会社にいる。
……自分の貯蓄は別の口座があるし、仕事も続けているから
幸い食べることには困らないけど、ぽっかりと穴があいて立ち上がる気力が無い。
こんな時
有給でも使って休めば、少しは気が晴れたりするのかな。
学校も仕事も、サボったことなんて1度もないから分からないけど……
通帳をバッグにしまいながら、溜息が漏れた
……その時
「……!」
カフェの窓ガラスに沿って並んだテラス席
右から左へ泳がせていた私の視線が、すぐ隣りでピタッと止まった。