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第5章 スコール

・・・ん？


「うん、いるよー。なんでしえりの事知ってるの？」
「？？」
「え？ 名前を出すな？ なんで？」


奈々も不思議そうな顔をしてるけど、明らかに私の名前が出ている。
パソコンの電源を今切ってしまったけど、発注のことかな？


「あはは、よく分からないけど代わるよ。
ちょっと待ってねー、今一旦保留にする」

「……！」

「しえり、内線よ。
企画開発部から」


何がなんだか分からないけど。
点滅する保留ボタンを見ながら、とりあえず受話器を取った。


「カリスマMD、うちの会社至上ナンバーワンのイイ男よ♡」
「……えっ？」
「旦那と約束あるから先に帰るけど、何で電話来たのか週明け教えなさいよね！」


そう言ってニヤニヤしながら、お先～と言って奈々が離れていく。


・・・一体なんなのだ。
企画開発のMDって……花形部署じゃない。

そんな人が私に何の用なのかしら……