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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
「ほらほら、今日は華の金曜日よ♪
しえりも早く上がってね……って、うわ」
ウキウキした奈々の表情がサッと曇ったのは
立ち上がろうとした彼女のデスクで、電話機の内線が鳴ったからだ。
「この時間に発注しても来週と変わりませんよー。
── はい、生産管理部ですけどっ!」
確かに奈々の言う通り、定時を過ぎたら焦ったところで意味がない。
システムとエクセルを閉じて、私も帰り支度をしようとしたら
「あら、まさかのイケメン君じゃない♡」
奈々の声が明らかにワントーン上がった。
・・・イケメン君?
「うんうん、元気よ。なんかすっごく久しぶりね。
そうよねーお互い本来関わる部署じゃないもんね。
美和ちゃんは元気?」
……美和ちゃんって呼ばれてる人は、ここで働いていた前任の社員の子だ。
確か2つ程歳下だと聞いているけど、私が配属された時にはもう退職していた。
電話の相手は、その人の知り合いかな?
「え? しえり?」