この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
ガタッと大きな音を立てて、椅子から飛び跳ねてしまった。
いきなり起立した私。
周りの社員達に注目される。
「な、なんでそのことを…!」
受話器に手を当てて、思わず小声。
仕事中も家にいても、ずっと彼のことを考えていたけど
口には出していないはずだし、ましてや他人が知る話でもない。
駅前のカフェのことまで、な、なぜ…!?
「冷静になりたいんですが、ただいまパニック状態です…!」
『だろうな』
「あ、あ、あなたは一体誰…」
『大丈夫、詳しい話は聞いてねぇから』
どの辺が大丈夫!?
十分恐ろしいです!
一体なにがどうなってるの?
企画開発はひとつ上の階だし、社内であることを示す内線番号も表示されているけど
どこかで監視されたりしないよね…!?
『ごめん、怖がらせたいわけじゃねぇんだ』
周りをキョロキョロする私。
見えているのかいないのか予測不能だけど
電話の向こうで、謎の人物が小さく息を吐いた。
『急に連絡して、意味不明だと思うけど。
俺はあんたが不安になることは絶対にしない』
「……!」
『むしろ、安心させなきゃいけねぇ立場だから。
分かってほしい、味方なんだ』