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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
── ちゃんと指示してくれる人がいるから、目指す道は迷わない ──
初めて会ったときにそう話したことを、覚えていたのね。
……今まで教え通りに生きてきたのだから
これからも言われた通りの道を歩いていくべきだと思ってる。
私の人生、きっと正しい。
はずだよね?
「……呼びつけたくせに、黙るの好きだな」
グラスの氷をカランと鳴らして、彼の尋問形式が続く。
「あんたさー、何かやばい宗教か占いにハマッてたりしねぇ?」
「いえ、それはありません」
「その教祖みてぇなやつとの間に、金銭の遣り取りは?」
「な、無いです」
「教祖が誰か聞いたところで、俺には何の関係もねぇだろ。
それでも正体は言えねぇんだな?」
「……ごめんなさい」
「……あっそ」
あぁ、終わった。
問題解決以前の段階で、ジ・エンドという流れを覚悟したのだけど
「話どんどん逸れていくけど
質問の角度を変えるわ」
少し考える仕草を見せたけど、ケロッとした声で
足を組み替えた彼がそう言った。
「しえりさん、恋愛は?」
「……えっ?」
「俺の推測からすると、結婚に囚われすぎて
本来1番楽しいはずの恋愛をすっ飛ばしてんじゃねぇ?」
「……!」
「無責任なこと言うつもりないけど。
あんたの場合、年齢がどうとかって焦らなくてもいいと思うよ」