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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
……歳下なのに、話し方や言葉の使い方が絶妙で。
総合商社キャリア組のコミュ力って凄い。
「恋愛……ですか」
恋愛。
恋して、愛する。
なんて素敵で美しい響きなのだろう。
あの頃の甘酸っぱい光景が目に浮かぶ。
「思い出します、鮮明に。
バレンタインのチョコレートを作って、待ち伏せをして渡したあの日…」
「いや待て。
今その脳内で、どこまで遡ってるんだ」
「え? あ、えっと……
あれは初めて恋心が芽生えた、大学2年の寒い日でした」
「遅っせぇなあんたの初恋。
ってだからそうじゃねぇ」
テンポよく差し込まれたツッコミで
青春時代の記憶が、当時流行った応援歌とと共に止まった。
「婚約してたんだろ、つい最近まで」
「……!」
「詐欺だったとしても。
好きだった男と、一生を共にする約束をしたんじゃねぇの?」
「………」
「……好きになったから、結婚を決めたんだろ?」